ゼミ生に「来ませんか?」と呼ばれたので、ミーティング終わりに、大学内のカフェ樹林へ。そこに待っていたのは京都発の社会起業家としてはかなりマスコミにもでるようになった「革靴をはいた猫」さんのスタッフでした。
直接の面識はなかったのだけれど、ほうぼうでお名前をお聞きするので、どうやってそこに至ったのかをざっくばらんにお聞きできたのはとても良い機会でした。探してみるとそういう話をかいている記事はあるんですよね。でも、そのバックグラウンドや、大学との関係で散々苦労した背景などもお聞きするにつけ、ファンになってしまう物語がありました。
彼らの背景には一般社団法人の日本インクルージョン協会(うおう、まだHP無いのね)があるようなんですが、そこはCAFE樹林で活動する学生さんたちが卒業後も関わりを持ちながら、活動を支えていくために作ったのだそうです。障害があるなしに関わらず、一人ひとりがそれぞれの生きがいややりがいを見つけて働き、社会との関わりを作り上げていくことがその目的であり、たくさんあるプロジェクトのうちの一つが「革靴をはいた猫」だったのだそうです。
卒業生の組織が日本インクルージョン協会ならば、学生側の組織がチームノーマライゼーションで、うちのゼミ生はそこの代表だったんですね・・・ごめん。俺わかってなかったよ。すごく印象の残っているのは、ここで活動するようになってから、ちゃんと勉強するようになったしキャリアのことを考えるようになったとのこと。
単に講義を聞くだけでは知識が右から左に流れていくだけで、すぐに忘れちゃうんですよね。秋庭ゼミが、「研究」から「実践を通した学び」に全面的に舵を切ったのは、全く同じ問題意識からだったりします。仕事上、さんざん色んな所でキャリア関係の講義をやったり企画したりしました。でも多くの場合、全然響きませんし、行動には影響を及ぼしません。講義を「自分ごと化」してとらえるのはとても難しい。というかほぼ無理です。体験を通して学んだほうが、圧倒的に効率はいいなとおもいます。
社会起業で粗利を十分に確保することはむずかしい。というか、粗利が確保できないからこそ、そこは一般企業が新規参入しにくい領域で、放置されていることが多いわけです。それを十分にわかっていてもそこで勝負する彼らはすごいなぁと素直に尊敬してしまいます。もちろん、影には凄まじいオペレーションが隠れていることは想像に難くありません。
革靴って長く使える。サーキュラー・エコノミーの視点で見るとおもしろいっていうのは「ああ、そうだねえ」っておもうのでした。
立ち上げから今に至るまでの生々しい事例があってもいいな。そんなことをおもって帰ってきました。こういうところの生々しいケースを作るっていうのは勉強になるだろうなぁ。手を挙げる学生チームいないかな?